美術館について

美術館評価制度

横須賀美術館評価委員会(平成19年度第2回)

日時:平成19年7月6日(金)午後2時~4時
場所:横須賀美術館 会議室

1 出席者
委員会 委 員 長 谷口 政隆  神奈川県立保健福祉大学大学院教授
    副委員長 山梨 俊夫  神奈川県立近代美術館館長
    委  員 相田 真弓  横須賀市立走水小学校教諭 造形教育研究会事務局
    委  員 岡本 康英  (株)さいか屋取締役社長
    委  員 泰井 良   (財)地域創造 振興助成課副参事
    委  員 安田 直彦  市民委員
    委  員 原田 憲一  市民委員
    委  員 安田 直彦  市民委員

事務局 教育委員会管理部     大坂 茂夫
    教育委員会生涯学習部長  外川 昌宏
    横須賀美術館館長     島田 章三
    横須賀美術館副館長    原田 光
    美術館運営課長      森山 武
    美術館運営課主査(学芸員)石渡 尚
    美術館運営課主査     佐藤 正弘
    美術館運営課主査     佐々木暢行
    美術館運営課(学芸員)  沓沢 耕介
    美術館運営課       林田 ゆみ子
2 議 事
(1)横須賀美術館の基本理念・活動方針について
(2)平成19年度の目標について
(3)評価項目・評価指標について
(4)その他
  A 美術館開館後の状況について(報告)
  B 来館者アンケートの集計結果(速報)について(報告)
3 会議録(要約版)
(1)使命・基本理念・活動方針、評価指標について
  A 美術館の使命・基本理念について
[委員D]
・今回、条例がミッションとして出ているが、それとは違ったミッションを出していかなければならない時のように思う。
[委員C]
・市民、来館者と美術館が意図しているものとの間でズレを感じる。今後、市民の考える美術館像と、美術館の目指すものがズレて行った場合にも、あくまで、この使命に沿って活動を続ければよいという考えか?
・今は人数が入っているが、減ってきた場合には、市民の賛同を得ていないということになり、今まで美術館がやってきた活動が骨抜きになるように思う。
・最後は人数が減ったらおしまいなのだということであれば、評価委員会で指標を作ること自体に意味がなくなるのでは?

  B 美術館の活動方針について
[委員D]
・美術館の立地・地域全体を宣伝しながら、その中にある美術館の位置と役割が見えてくるのでは。地域全体で連携しあうのは大事と思う。
[委員B]
・雑草や芝生の手入れをやっていただいたほうがよいように思う。せっかくきれいなのだから、景観を維持しないといけない。

  C 美術館の計画(案)について
[委員A]
・造形教育研究会の総会時の見学において、先生方から賛否両論あった。<生きる>展のような展示を見せるためには、事前の学習が必要ではないか。美術作品としてきちんと鑑賞させるためには時間が必要ではないか。という意見があった。
[委員F]
・敢えて見せるのか、あるいは、別途のプログラムを用意するのかがよいのでは?
[委員E]
・「過激な展示」等に対する意見を美術館ではどのように受け止めていくものか?ということについては、記録としてとどめておけばよいのではないかと考える。
・展示内容にショック等を受けるような場合は、先生なり学芸員のきちんとした説明の元に見て回るべき。
[委員G]
・学校に来てもらうにあたり、呼びかけをする段階で、展覧会や展示について事前に学習してもらってはどうか。
・美術館としては、一種否定的な意見が出たからすくんでしまうというようなことは絶対にないようにしていくべき。
・学校に来てもらうのであれば、それにふさわしい作業をするといった評価指標を加えてはどうか?
[委員E]
・1年経てばいろいろな評価が定まってくると思う。色々なところから反応が出てくると思うので、やってみてという進め方がよい。
・あまりに少数の意見に振られるのは、美術館のありようとしてふさわしいとは思わない。
[委員B]
・来年はともかく、再来年くらいには、きっちりした大きな企画を仕込んでおく必要があると思う。企画という点では、それを申し上げておきたい。
[委員E]
・美術館開館の5年、6年前からやってきた色々なことが、市民にはあまり伝わっていないのでは?「はじまりのはじまり」という小冊子から「これだけやってきた」ということがわかる程度で、これに対する評価をきちんと実施しているわけではないので、何人の方が理解しているかは不明だが、その中で<生きる>展にたどりついたのだと思う。
[委員G]
・展覧会決定までのフロー図をつくるのはよいが、館長を中心に美術館が主体性をもって展覧会を決めていくという部分が失われないような骨組み、仕組みを作っていくことが何より大事。
・書類(資料)の整理というよりは、考え方を整理していく必要があると思う。
[委員E]
・ホームページを見ると、いくつかアイコンが開いていないので、そこはノーアイデアなのか、アイデアはあるが、未アップなのかはわからないが、ボランティアに関しては何も決まっていないとすると、2~3年先の策が今、全く打たれていない気がする。

  D 美術館の活動方針・評価指標について
[委員E]
・日本の美術館は、3年目から入館者が減る。そこが欧米と根本的に違う。
・美術館はできる時にかなりの反対があったので、数字(入館者数)をチェックしている人がいる。最近は、議員の方もブログ等で発信しており、そのことは考えた方がよい。
[委員C]
・アンケートの自由解答欄についても、きちんと分析すべきと思う。
・評価をする際、最終的にはミッションが達成されたという評価になるが、資料にその部分がない。
・数値が低くても、ミッションがあって、その反応に価値があるというような評価をしなければならず、そのためには、今の資料の範囲だと、活動方針と、評価指標と、市民の反応と、学芸代表の副館長の意見とが、私の中でつながらない。
・何をどのように基準をおいて評価していくのかが見えてこない。
・どういうものを目指していくのか、その中で展覧会をどのような形で市民に見える形にしていくのかをもう少しはっきりさせていく必要がある。
[委員C]
・今回の<生きる>展を実施するにあたり、少なくとも市の内部で了解をとっているはずであるので、それがどういう価値観に基づいてやったのかを示すべき。
・聞かれなくても、ある程度わかるようにオープンにすることが、これからの情報公開、市民協働であり<生きる>展がどういう理念で、どういう形に基づいて企画がなされたのかということをきちんと書いていただかないと評価のしようがない。
[委員G]
・お客様の数も大事だが、それでは計測不可能な定性的な部分についての評価指標が必要。
・静岡県美と同じでなければならないとは思わないが、静岡の場合は、学芸員の調査研究の論文を評価委員が読み込むということをしているし、普及活動を始め種々活動に参加した人がどのくらい充実感が得られたのかという満足度の部分がある。
・評価項目の資料に収集方針がないので、この部分は評価のしようがない。
・どういう方針の展覧会をやっていくのかというのが美術館として明らかにされていないと評価のしようがない。

(2)評価委員会の役割について
[委員F]
・こういう企画の展覧会をやったらどうかという提案をするところまでは、評価委員会の役割には含まれないと思う。
[委員E]
・展覧会の内容決定に評価委員会が関与することには賛成しかねる。
[委員G]
・展示等に関する意見はその都度言えると思うが、展覧会決定のシステムに組み込むのであれば、全く違う考え方を取らないと難しい。
・美術館の主体性を展覧会活動の中で作っていくのを支援するのが評価委員会の役目だと思う。
[委員長]
・各委員のご意見が揃ったので、評価委員会は展覧会内容決定のプロセスには入らないこととする。
[委員 ・展覧会内容に沿った配慮や、説明ボランティアをつける等の配慮等への意見は言って行きたい。
[委員B]
・最終的には来館者数をチェックする以外に評価の基準はないと感じる。
・美術館の主張と来館者の度合いの案配を見ながら個性を出していく以外に方法はない。
・(展覧会などに対する意見に対し)過剰に反応する必要はないが、1つ1つの真意をきちんと聞くことが必要。
[委員D]
・評価項目を新しい視点で見直さないと、決まりきった形での評価になってしまうのではないか。
[委員G]
・美術館運営方針の中で美術館周囲の自然環境を整えておくという評価指標を組み込んではどうか。
[委員D]
・自然との調和、美観を保つというのは評価指標としても大事と思う。
[委員C]
・責任を美術館にだけ負わせるのではなく、設置者がそれを支えているかどうかというガバナンスの方の評価も必要。現場が活動しやすい環境を整備しているのか?を合わせて見なければいけないと思う。
[委員D]
・短期的な評価と中期的に渡る評価が必要だということになると思う。
[委員G]
・美術館を運営している母体である市が、どういう風に美術館の運営を支えているかという部分の評価がないと、美術館活動全体の評価という意味をなさないのではないか?<
・今の指標を見ると、職員の現員人員配置などは、それ自体が美術館活動にとってマイナス評価になるように個人的には思う。
・行政が、どうやって支えて行く姿勢があるかというのを評価指標、評価システムの中に示されていかないといけないと思う。
[委員G]
・この評価委員会はどこからどこまでの仕事をするのか。評価委員会のやるべき仕事、役割の枠組みを明らかにする必要があるのではないか?
[委員長]
・まとめての結論等を決めることは、今日はしない方がよいと判断する。
・次回(3回目)には形を作っていかなければならないので、次回に向けて事務局には手数をお願いしたい。

第2回議事録(詳細版) 301KB