横須賀美術館 YOKOSUKA MUSEUM OF ART
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ワークショップ
風にはためくいろ
講師:柚木沙弥郎氏(染色工芸家)
「型染め」とは自分で型紙をつくり、その型紙のとおりに布を染めていく、伝統的な染色方法のひとつです。 型の部分が染まるのですが、説明を聞いてもなかなか呑み込めません。とまどいながらもひとつひとつ手順をふんで、 そうした手仕事が、単純ながらも力強い、思いがけない模様を生み出してくれました。
写真① 写真② 写真③
まずは厚紙をはさみで切って型紙をつくります。思いつくままにはさみを動かす人もいれば、 注意深く鉛筆で線をひいてからはさみを入れる人もいました。あれれ?でも、型紙の部分が染まるってどういうこと? なんて頭の中がこんがらがります。 「防染のり」というぬかともち米でできた、文字通り染まるのを防ぐのりを練っていきます。これがなんとも硬いのです。 自然素材の「防染のり」。腐るのを防ぐために消石灰溶いた水を少しずつ足しながら、二人一組で力を合わせます。 布の上に型紙を置き、その上から網を張った木枠を被せます。型紙が動かないように気をつけながら、 パンにバターを塗るように網の上から防染のりを塗っていきます。型紙のキワがポイントで、 ここにしっかりのりを塗っておかないといけません。
写真④ 写真⑤ 写真⑥
防染のりを塗り終えたら、伸子(しんし)という布を張る道具をつけて外で乾かします。このままでもきれいだね、 というつぶやきがどこかで聞こえました。型紙のところがくっきりと白く残っていて、少しどきどきします。 「顔料」という粉状の絵の具に、「ご汁」という大豆をしぼった汁を少しずつ加え、乳鉢ですります。 これが染料になります。ご汁は顔料を布に定着させる役目を果たすので、触ると少しねばねばします。 ていねいに、時間をかけて色の粒をすりつぶします。 いよいよ布を染める作業です。茶色いところが防染のりを塗ったところで、真っ白いところが型紙を置いたところ。 刷毛(はけ)の根元を持ち、顔料を布地にすりこむように染めていきました。 これがまた根気の要る作業で、子どもたちはちょびっと泣き顔。
写真⑦ 写真⑧ 写真⑨
染めの作業が終わったら、のり落としの作業です。水のなかに布をそおーっと入れ、 少し待つと防染のりがぬるりと浮かんでくるので、その瞬間をねらって布をピッピッと引っ張ります。 こすらなくてもこうして自然の力にまかせれば、きれいなかたちが現れてきます。 最後にみんなで室内に作品を並べ、一人ずつ柚木さんと会話を交わしながら作品を鑑賞しました。 70㎝角の布は、思い思いの色やかたちに染めあげられ、自分とはすこしちがう他の人の感覚に自然と「へえー」とか「わあー」 なんて口にしてしまう時間でした。 そうして終わった柚木沙弥郎さんのワークショップ。実はこれにはつづきがあって、 参加者のみなさんの作品が下記のとおり見ることができます。もしお近くにお立ち寄りの際は、ぜひご覧ください。
2006年1月16日(月)から20日(金)
横須賀市役所1階展示コーナー