<鈴木さんのことば>
<はだかの耳、はだかの心>
こだわりのない耳と心!
モカちゃんという子がいたなぁ。常に左横からぼくをのぞき込んでは話しかけてきた。
「この夏休みには、色んなことに耳を澄ましてみるつもり」などと…。
中には「甲虫はどこに居るの」など突拍子もないことを聞く子もいて、
そのことに応えているとワークショップ慣れのないぼくは全体がなおざりになってしまうのを恐れもした。
モカちゃんは「はだかの耳・はだかの心」をよく把握して参加してくれていて、
後にアンケートを見ると二年生と知りなおさら驚かされた。
一番乗りをした誰君だったかは、受付けで付き添いのお母さんに向かって「もうここからは、いなくていいから」と
手を振り切っていたのが印象に残った。
そういえば親子間の対話があちこちで絶えなくて、ぼくの意図した集中への誘いの妨げになっていたことは否めない。
保護者の方々には同じ時間帯を何らかの過し方をしていていただくのも方法だったかな…と、ちょっぴり残念に思っている。
導入の、〈池に小石をなげる〉行為に何人かの子たちが、それぞれの感じ方を持ってくれたのがアンケートから察しられるけれど、
これはぼくの若い頃、音の世界に進む切っ掛けになった事柄でもあり、
又、現在パリで発表中の〈点音(おとだて)〉(モンパルナス区一帯に都市の音に耳をかたむけるポイントを設定し、
耳・足形のマークを布設するイベント)という作品にも継続しているキー・コンセプトなので、
現代っ子たちがあんなにも静かに興味を示してくれたことにとても勇気付けられもし、感謝しているんです。
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