横須賀美術館 YOKOSUKA MUSEUM OF ART
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美術館評価制度
美術館評価委員会(第4回)(平成23年度第2回) →美術館評価制度へ戻る


日時:平成23年8月11日(木)午後2時00分~4時10分
場所:横須賀美術館 会議室

1 出席者
  委員会 委員長      小林 照夫    関東学院大学名誉教授
      副委員長     山梨 俊夫    国立国際美術館館長
      委員       久保 由樹    観音崎京急ホテル社長
      委員       菊池 匡文    横須賀商工会議所事務局長
      委員       佐倉美知子    市民委員
      委員       杉戸 美和    横須賀市立野比中学校教諭
      ※水島祐子委員は欠席

  事務局 館長・教育委員会教育総務部長   原田 惠次
      美術館運営課長          石渡 尚
      美術館運営課主査         佐々木 暢行
      美術館運営課(学芸員)      沓沢 耕介
      美術館運営課(学芸員)      塙 萌衣

2.議事
  ・平成22年度の評価について

3.会議録(要約版)
(開会)
(教育総務部長あいさつ)
[原田部長]:短時間での評価作業となり、お詫びとともに感謝申し上げる。
観覧者数は前年比でおよそ1万人少なくなっており、震災の影響が続いていると考えられる。広報等いっそう努力したい。ただし、開催中の「親子で楽しむ美術館〈集まれ!おもしろどうぶつ展〉」には、親子連れを中心に、多くのお客様に来ていただき、関連事業を含めおおむね好評をいただいている。開館からののべ観覧者数50万人達成も間近。
美術館評価システムについて、平成21年度に試行し、22年度の評価について議論していただいて、今回の評価にいたった。委員のご助力に対し改めて感謝。1次評価では、努力の成果が現れている反面、課題も多いと認識。今日の会議で2次評価を確定させる。

(委員の交替)
[事務局]:人事異動により、金子委員が観音崎京急ホテル社長を降りられたので、後任の久保由樹氏に引き続き委嘱したい。

(各委員自己紹介)

(傍聴)
[事務局]:傍聴者は3名。

(議事)
(資料確認)
当日配布資料
資料1「各委員による2次評価のまとめ」
資料2「美術館評価委員会設置要項」
資料3「委員名簿」
事前送付資料
平成22年度横須賀美術館評価報告書(1次評価)
参考資料集

(2次評価の進め方について)
[事務局]:資料1「各委員による2次評価のまとめ」にしたがって、「達成目標」「実施目標」を含む「目標」ごとに説明、その後ご議論いただきたい。確定した2次評価を1次評価書の後ろにつけて評価報告書としてまとめる。

(目標①について)
[事務局]:目標①の達成目標について、年間観覧者数10万人は開館以前からの目標値。平成22年度は10万33人となり、目標を達成した。この間、3月11日に東日本大震災が発生、そのため3月に低迷したにもかかわらず、目標達成したことは評価できると考えている。企画展では、ブルーノ・ムナーリ展、ポップ・アート展などが観覧者数目標を大きく上回り、目標達成の要因といえる。
実施目標について、広報、パブリシティ活動を通じて市内外の広い層に美術館の魅力をアピールする、としている。目標をほぼ達成したものとみて、1次評価はBとした。パブリシティを重視し、マスコミへのタイムリーな情報提供を心がけた結果、新聞雑誌等への掲載数は前年度を上回った。いっぽう、予算を投入した広報として、新聞広告を試みたが、期待ほどの成果は得られなかった。

(分析の必要)
[佐倉委員]:杉戸委員のコメントにもあるように、何が集客につながって、何がつながらなかったのか、というのは、分析する必要がある。ムナーリ展、ポップ・アート展がなぜ多かったか分析すると次につながってくる。
[事務局]:ムナーリ展では、ムナーリが考案した知育玩具のようなものを実際に子どもたちが手にとって遊べるコーナーを設けた。そうしたことが口コミで広まったのではないか。子どもが来るということは、それだけでなく家族での来館につながり、結果的に人数の伸びにつながったのではないかと考えている。また、ポップ・アート展の客層は、デザインや現代美術に興味のある人というところでムナーリとある程度共通しており、相乗効果があったと思う。
[山梨委員]:そういった 1年間の展覧会についての分析が、1次評価に含まれていたほうがよい。

(来館者数について)
[山梨委員]:「来館者数」も安定してきたように見える。これについての言及もあるべき。つまり展覧会を見なくても美術館を利用する人が安定的にあるということは評価すべき。
[小林委員長]:来館者数とは?
[事務局]:「来館者数」は、オートカウンターによる集計値で、本館にふたつある出入口の合計であり、出て行った人を含まない。また、谷内六郎館のカウントを含まない。しかし、ひとりの人が複数回出入すると、2人に数えてしまうので、注意が必要。
これに対して、「観覧者数」は発券数を根拠にしており、会場ごとに加算していないので、かなり実態に近い。
[小林委員長]:「来館者数」の数値には希望を感じるが、現実を知ると伸ばしていくのは難しい。
[山梨委員]:だとしても、「広く認知され、多くの人にとって横須賀市を訪れる契機となる」という目標に沿って考えるなら、注釈をつけても、23万人という数値を書いておくべき。
[小林委員長]:それについてもコメントを入れておきたい。

(達成目標の2次評価について)
[小林委員長]:目標を達成している。委員会としての2次評価はAでよいか?
[委員一同]:同意。

(実施目標について)
[小林委員長]:掲示板など、横須賀市の持っている媒体を広報に活用している。
[菊池委員]:平成22年度は露出が高かった印象があるので、A評価とした。企画展ごとにポスターの雰囲気がまったく変わる。幅広い層に訴えていた。また、他部署との連携も見られた。漠然と美術館を紹介するのでなく、企画内容に基づいた話題の提供ができていたと感じている。そうしたことがパブリシティにつながり、目標達成にいたったのでは。
(広い層に訴えたいという)当局の意思が前面に出ていたし、観覧者の反応がよかったということは、美術館に対する認識の向上につながっているのでは。

(有償広告について)
[小林委員長]:予算も限られている。ポスターの駅貼り、車内に掲出することでもだいぶ(経費が)変わるだろう。
[事務局]:有償広告については、開館当初から検討して、やはり京急線の交通広告を中心に実施し、継続していることは良かったと考えている。
平成22年度は、予算の厳しい中、新規に新聞広告を試みたが、検証した限り、期待ほどの効果は得られなかった。期待が大きすぎたかもしれないし、研究の余地はある。今後も費用対効果を考えながら、実施していきたい。
[山梨委員]:広報のための予算が少ない苦労はよくわかる。3月まで同じ地域の美術館にいて見た限り、横須賀美術館の広報はわりと積極的に見える。特に京急関係は活発。
新聞広告はものすごくお金がかかるのでなかなかできないが、それをなんとか工夫してやっている。
横須賀市で活動されている菊池委員が、肌で感じた先ほどの意見は貴重だ。評価をAにしてもよいのでは。
[小林委員長]:1次評価に力強い自信があらわれていれば、Aを付けやすいのだが。どうも真摯というか控えめに書かれているので、そうか、とBにしている人もいる。どうするか。
[佐倉委員]:新聞広告は具体的にいつどこに載せたのか?
[事務局]:菅野圭介展に際して、読売新聞(4月24日)のクーポン広告ページに掲載。ラファエル前派展に際して、日本経済新聞夕刊(11月4日)マンスリーミュージアムガイド、および読売新聞夕刊(12月2日)テレビ欄に掲載した。
4月24日のクーポン広告については、関東圏に548万部配布され、回収されたのが214枚。
また、読売新聞社と提携する場合、読者団体(yfc)に所属する希望者に対してプレゼントするための招待券が6000枚あり、回収が540枚。
ラファエル前派展のテレビ欄広告については、モバイルクーポンの頁をQRコードで掲載して効果測定をしたが、その利用者は割引利用者全体からみて3%程度だった。
[菊池委員]:クーポンによる効果測定とは別に、アンケート調査ではどうだったのか。
[事務局]:認知媒体についてのアンケートでは、通常は「口コミ」の次に「新聞・雑誌」が多い。誌名欄を設けているが記入は少ない。また、件数自体も少ないため、広告による効果はアンケートでは検証しにくい。テレビで紹介されたあとには、アンケートへの記入も増えるため、かなり効果が高いと推定できる。広告を出していない新聞名が書かれることも多く、文化欄などの記事(展評)として採りあげられた際の効果も高いと考えられる。
[菊池委員]:結果論よりも、分析できていることが良い。行き当たりばったりではなく、体系的に考えられていると22年度は感じられた。だめであれば、ではどこがいいのか、予算がないなかで知恵を絞っているようすがうかがえる。
[事務局]:パブリシティの件数が増えているにも関わらず1次評価をBとしたのは、新聞広告に予算を費やしたのに、期待した効果が得られなかった反省から。23年度も同じようにするのではなく、新聞以外の媒体を考えている。
[菊池委員]:それでよい。パブリッシングはやってみなければわからない世界。果敢にチャレンジし、反省をし、いかに次に繋げていくか考える材料を得るだけでも無駄ではない。どれだけ知恵を絞っているかを評価したい。
[杉戸委員]:横須賀美術館の魅力には、ロケーション以外にも多様なイベントや、いろいろな福祉団体との協力などもあり、そういう部分も積極的に広報してよい。企画展ももちろんだが、付随するイベントも相当面白かった。そういうこともアピールしたい。今後の継続性も考えてB評価とした。具体的には、夏の野外のシネマパーティなどは、通りかかって初めて気がついた。いつやるということはあまり広く認知されていない。口コミで広がっているように感じる。
[小林委員長]:杉戸委員はBにすべきと考えている?
[杉戸委員]:継続的に考えればB。昨年度に限ればAとしてもよい。
[小林委員長]:いろいろ意見もあるが、この委員会ではAとしてはどうか。

[山梨委員]:1次評価のなかの「今後の課題」について、いまの話を踏まえて記述しておく必要がある。たとえば若い人たちの間でコンピューター関係の媒体が広まっている。資料では前年度に比べてWebの露出が減っている。おそらく今後はコンピューターを利用した広報を盛んにしていかなければならない。神奈川県立近代美術館でも、レセプションに有力なブロガーを招いて取材してもらったりしている。これはお金がかからない。そのままでなくても、そういったことを加えて、2次評価をAにするのではどうか。
[事務局]:ブロガーの招待についてはすでに試みている。
[山梨委員]:それならそのように資料に書いておくべき。
[小林委員長]:ではそのように(2次評価をAに)したい。

(目標②について)
[事務局]:目標の②「市民に親しまれ、市民の活動の拠点となる」という目標について。達成目標は市民ボランティア協働事業への参加者1,000人。ボランティアののべ人数に、一般参加者数を加えるとのべ1,220人となり、目標を達成している。実施目標は、美術館に関心を持たない人を含めた市民への普及、市民ボランティア自身にとっての有意義な活動、の2点。

[小林委員長]:②の達成目標について、特に質問がないので、2次評価をAとする。
実施目標についてはどうか。
[佐倉委員]:ボランティア活動の担い手を増やすには、常にでなくても、時間のあるときに活動できるような制度づくりが必要。機会あるごとに少しずつでも集めてゆくべき。何らかの方策を立てるということを加えてほしい。
[小林委員長]:支援者を増やすことは非常に重要。

(目標③について)
[事務局]:使命Ⅱ「美術に対する理解と親しみを深める」は美術館活動の根幹である社会教育機能に関すること。目標③「調査研究の成果を活かし、利用者の知的欲求を満たす。」は展覧会事業、教育普及事業に関わる内容で、評価の枠組みのなかでも非常に大きい部分。達成目標は企画展の満足度。過去の実績に基づいて70%を目標としている。22年度は過去もっとも高い78.7%を示し、目標を達成している。
実施目標は各展覧会の実施、一般向け教育普及事業の実施、所蔵品を中心とする調査研究、図書室の環境整備に関する項目。計画通り実施しており、一次評価としてはAとした。

[小林委員長]:なにか質問は。
[佐倉委員]:自分自身は企画展にあまり満足していない。テレビで紹介されるような大規模な展覧会に比べると吸引力に欠けるように思う。予算が限られているのは理解できるが、せめて5年目、10年目といった節目にでも、驚くような内容の企画が実現できないものか。
[山梨委員]:たまにはやればいいのでは。市から1億円くらい出してもらって。
[小林委員長]:事務局はどう考えますか。
[事務局]当然のご要望と受け止める。困難ではあるが、お応えできるように努力してまいりたい。
[小林委員長]:他になければ、2次評価もAとしてよいか?
[一同]:同意。

[小林委員長]:実施目標についてはどうか。
[佐倉委員]:趣味として絵や陶芸を習っている人たちは発表の機会を欲しているが、なかなか機会がない。児童造形作品展ばかりでなく、大人の作品展があっても、足を向ける機会になるのでは。評価とは関係ないことだが。
[石渡課長]:美術館の計画当初、市民ギャラリーが改装したばかりだったという事情があり、現在は市民向けの展示スペースを設けていない。要望があるのは承知している。

[小林委員長]:他になければ、大多数がAのため、2次評価はAとしてよいか?
[一同]:同意。

(目標④について)
[事務局]:④学校と連携し、子どもたちへの美術館教育を推進する。いろいろなアプローチで、子どもたちが美術館に親しむための努力をしているが、その結果を検証する意味から、中学生以下の観覧者数15000人を達成目標とした。22年度は16433人となり目標を達成している。前年度より増加したのには、企画展の内容等も影響していると思われる。
実施目標は「児童生徒造形作品展」の実施、小学校美術館鑑賞会、中学生のための美術鑑賞教室、子ども向けワークショップなどの教育普及事業に関する項目。
それぞれ経験を積む中で質が向上していると自認しているため、一次評価をAとした。

[小林委員長]:杉戸委員いかがですか。
[杉戸委員]:横須賀美術館のやっていることについては教育現場として感謝する部分も多いが。まず、横須賀の子どもたちにどう育って欲しいのか、について、美術館と行政と教育現場が共通の目標を持つべき。ただ子どもたちが美術館に行けば良いわけではない。
美術教育の目的は、ものすごい芸術家を育てることではない。感性、情操の豊かな人になってほしいということのはず。美術館では、文化を大切にする心を育むことができ、また、さまざまな作品を通じて、いろいろな考え方があることを学ぶ。すべての作品に感動しなくてもいい。難解な作品の前で、躊躇して、「これはなんだろう?」と考えることが自分を深めることにつながってゆく。そういうことのできる人となってほしいという思いで、現場での美術の授業は進んでいる。美術館が一見不可解と思えるものをあえて提示しているからこそ、子どもたちはそこから考えたり、躊躇したり、感動したりという、心を動かす作業をしている。どういう子どもたちを育てたいかを、美術館と教育現場と一体となって、考えていかなければならない。
[小林委員長]:それも美術館の大きな役割だ。教育のなかで感性を育てていく。杉戸委員の発言は非常に大事。
[菊池委員]:次年度の課題に、「学校との連携をさらに深めます」とあるが、人数を増やすのが目的ではいけない。子どもたちにどういう「気づき」を与えられるのかが大事。企画の内容とあわせて、子どもたちになにに気づいてもらいたいのか、きちっと美術館でも議論をし、先生方にもそれをお伝えしなくては。先生方も美術館に来るだけでなく、その後の指導のあり方が問われている。そこが連携していないと意味がない。もう少し付け加えたほうが良いのでは。 [菊池委員]:ブルーノ・ムナーリ展や、原田和男氏の作品など、22年度はいわゆる体験型の作品があることが特徴的だった。大人に連れてこられただけでなく、子ども自身が楽しめる内容だったことが、来場者数にも影響したと思う。
企画展にもメリハリをつけて、(子どもたちの)教育と結びつけていくと、市民から見た美術館の存在意義が高まっていくと思う。教育は非常に重要なテーマ。その中で、企画とか、学校との連携とか、いろいろな要素を組み合わせていくことによって、違った意味で認知されるようになる。それを次年度の課題として加えたい。 [石渡課長]:杉戸委員のお話をうかがい、美術館と学校教育との求めるものは非常に一致していると改めて認識した。大芸術家を育てるのではなく、柔軟な発想や想像力、豊かな感性を持った子どもを育てたいという点で、認識は全く同じ。
教育指導要領が改訂され、地域の美術館との連携が明記された。この中学の教科書でも見開き2ページ使って「美術館へ行ってみよう」という項目を設けている。学校と、学校の先生と、さらに連携を強化していきたい。
現状では、市内小学校の6年生が、6月から2月までの間に、美術館を見学することになっている。その時期には、子どもたちも楽しめるような企画となるよう心がけている。
[小林委員長]:イギリスでは美術館は「心の福祉」として非常に大切にされている。ぜひ子どもたちの教育に取り入れてほしい。
実施目標について、菊池委員のご発言などをコメントに活かしたい。評価はAでよいか?
[一同]:同意。

(目標⑤について)
[事務局]:⑤「所蔵作品を充実させ、適切に管理する」について、達成目標は設けていない。作品購入費が充当されておらず、収集は寄贈に頼らざるを得ないため。
実施目標はそれぞれ収集、所蔵品管理、所蔵品の修復、所蔵品の貸出に関する項目。
収集については、74件の寄贈と3件の寄託を受けている。保管環境については、おおむね問題ない。修復は、額装等が27件、修復が4件。新寄贈の作品で、必要なものについては修復を行っている。貸出は、所蔵作品のうち12件27点、寄託作品のうち2件4点。
活動内容は前年度並みだが、作品購入費が充当されていない状況を踏まえて1次評価をCとしている。

[小林委員長]:ご質問は?
[山梨委員]:これも評価が難しい。美術館の置かれている状況がCなのであって、努力はCではない。でも、予算がついていないのはよくないので、結果的に評点としてはCでいいと思う。改善していかなくてはいけないので。
[小林委員長]:予算がないと、美術館が主体的に収集することができない。そうすると、他の美術館との作品の貸し借りにも支障が出てくるのではないか。しっかりしたものを持っていてこそ、良いものを貸してくれる。
[事務局]:すでに取得した作品は価値を保証されている。修復もできている。今後付け加えていくこと、新しい状況に対応することは確かに困難になる。
[小林委員長]:きちんと管理できる施設、制度を整えるだけでも、作品は集まってくる。しかしそれだけでは美術館の機能として不十分だ。
[山梨委員]:74点の寄贈作品の、この美術館にとってどういう意義があるか、また、予算がない状況で、収集を寄贈に頼っていることをきちんと書いておくこと。
購入費がなく、主体的な収集ができないと、寄贈する側からの信用を失ってしまう。
ここは開館までに、かなり投資していいコレクションをつくった。それをそのまま続けるわけにもいかないだろうが、ゼロというのは絶対にダメ。200万でも300万でもあることが大事。
[石渡課長]:ご趣旨は、きちんとしたコレクションがあるからこそ、よい作品が寄贈される、ということだと認識している。財政状況は厳しいが、数百万という数字でもきちんとした収集ができるようにならないといけないと考えている。
[山梨委員]:菅野圭介や朝井閑右衛門の寄贈は、企画展をしたり、コレクションがあるからこそ集まってきたもの。そうした事情と、作品についてもここに書いておいたほうがよい。財政が厳しいのは横須賀だけでなく、全国的にそう。その中ではがんばっているという印象だが。
[小林委員長]:専門家である山梨委員のお話をうかがったが、1次評価と同じCとしてよいものか?
[山梨委員]:そのほうがよいのでは。現場の努力はさておき、購入予算をつける方向を目指すべきだ。そのためには、現状に対して厳しい評価をしたほうがよい。
[小林委員長]:では2次評価もCでよろしいか?
[一同]:同意。
[山梨委員]:新しい館長に要望。購入費300万円でも500万円でもつけてくださるようにお願いします。
[原田部長]:ご要望として承ります。予算の権限は市長にあるので、要望をしていってどのような結果になるか。財政サイドと話をしてみる。委員会の様子を伝えて、予算獲得につながるようにしたい。

(目標⑥について)
[菊池委員]:スタッフ対応の満足度は、施設に対してではなく人に対する満足度であり、来館者数などにも影響が大きいはず。78%は高い値のようだが、目標に達していないという問題意識はきちんともっておくべき。
[石渡課長]:日頃、苦情に対しては即対応するように心がけているが、こういう結果となってしまった。今後とも努力したい。
[小林委員長]:ショップやレストランとの連携は密になってきている?
[石渡課長]:月一回、運営事業者連絡会議を開催して情報共有に努めている。
[小林委員長]:達成目標については、各委員の評価がそろっている。2次評価をBとしてよい?
[一同]:同意。
[小林委員長]:報告によれば、受託事業者と美術館側が有機的に結びついて、欠陥を是正しているということだ。ご質問がなければ、実施目標についても2次評価をBとしてよいか?
[一同]:同意。
[佐倉委員]:絵についてわからないことがあっても、声をかけにくいことがある。お客さまのようすを察して、声をかけてくれるようなサービスを目指してほしい。
[原田部長]:笑顔でいるだけでも声をかけやすくなる。そのような指導をしてまいります。
[事務局]:監視員でわからないことでしたら、学芸員が出て行ってご説明をします。

(目標⑦について)
[事務局]:教育普及事業の中の福祉関連事業について、参加者のべ200人を達成目標にしている。目標を大幅に上回る539人の参加があった。福祉関連の講演会、ワークショップではもともと延びは見込めないが、原田和男氏による演奏会に多くのご参加があり、こうした結果になった。
実施目標について。対話鑑賞が1件あった。また、養護学校の受入れについて、ワークショップなどをまじえて特別な対応をすることがある。事業ではないが記録として加えた。

[小林委員長]:なにか質問は?
[菊池委員]:達成目標について。2.5倍以上の結果を出しているのに1次評価はなぜAなのか?福祉関連事業は、なにも障害のある方だけが対象ではないはず。健常者がいっしょに楽しめるということも大事。原田氏の演奏会も福祉枠として企画したのなら、その成果を素直に評価してよい。達成目標は数値によって判断するのだから、客観的にみてじゅうぶんS評価に値する。
[事務局]:おっしゃるとおり。
[山梨委員]:いま菊池委員のご意見を聞いたら、僕もSにしたくなった。委員長もSに近いと書いている。
[小林委員長]:確かに。達成目標を大きく上回っている。ここで議論して決めればよいこと。どうでしょう?
[佐倉委員]:Sに変えます。
[小林委員長]:杉戸委員はいかがですか?
[杉戸委員]:私はもうはじめからSで。
[小林委員長]:では委員会として2次評価はSとします。

[小林委員長]:福祉関連事業について、サポートするボランティアを養成している?
[事務局]:障害児を対象としたワークショップ「みんなのアトリエ」を年間12回実施しているが、手伝いを希望してくださるボランティアの方が実は多い。お断りする場合もあるという状況。特に研修を経ずに参加していただいている。
[小林委員長]:近隣にある県立保健福祉大学に働きかければ、内容的にも膨らませられるのでは?思いつきだが参考までに。
[事務局]:ありがとうございます。
[小林委員長]:実施目標についてもAでよろしいか?
[一同]:同意。

(目標⑧について)
[事務局]:経営的視点に関する目標。これのみ、3つの「使命」の枠の外になっている。美術館の本来事業を実施するにはある程度まで資金が必要だが、この目標はそれをいかに軽減するかであり、使命を果たすこととは方向が逆であるため。実施目標のみで達成目標を設けていない。費用対効果を意識し、効率的に支出することを実施目標としている。具体例として、入札による業者決定、節電、京急線へのポスター掲出方法の効率化、印刷物の在庫管理の徹底などを挙げた。反省すべき点として、図録やチラシが会期中に不足したことなどがある。より無駄のない計画を立てられるようにしたい。

[小林委員長]:なにかご質問は?
[佐倉委員]:京急線のポスターをB2からB1にしたのはよい。大きいほうがインパクトが強い。数は減っても、効果はあると思う。
「おさんぽマップ」をつくったのもよい。子どもにもわかりやすい。
[菊池委員]:ポスターや、パンフレットについては、パブリシティの項目に移したほうがインパクトがある。

[菊池委員]:削減効果について。全体の削減目標はたしかにたてられない。全体でいくら減らすかという目標だと首を絞めることになる。しかし個々の具体的な取り組みについては、なんらかの当初目標を立てないと、実施目標の効果測定ができない。比較検証可能なものについては書いたほうがよい。
[事務局]:達成目標を設けなかったのは、菊池委員のおっしゃるとおり、美術館費全体について設けることができないため。委員のご意見を伺って、次年度からは、個別の取り組みについて事前に目標を設定して、検証するようにしたい。検討させていただきたい。
[小林委員長]:非常に重要。いままでは美術館の本来事業の内容が重要だったが、最近は効率という視点が問われるようになっている。効果を数的に示せるものについては提示する。それは宿題として、とりあえず今回は、いま出ているものに対して評価をすることでよろしいか?
[一同]:同意。
[小林委員長]:項目自体の問題もあるが、Bという評価でよいか?
[一同]:同意。

[小林委員長]:以上、慎重に検討して2次評価を出した。その他に連絡事項は?
[事務局]:前回の会議録(案)について確認をお願いしたい。

[小林委員長]:その他、事務局でなにか用意されている議題がありますか?
[事務局]:ありません。

[小林委員長]:委員の任期は9月30日まで。正式な会議はおそらく今日が最後。美術館のあり方について、真剣にご審議いただきまして、本当にありがとうございました。
(閉会)