横須賀美術館 YOKOSUKA MUSEUM OF ART
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美術館評価制度
美術館評価委員会(第4回)(平成23年度第1回) →美術館評価制度へ戻る


日時:平成23年5月12日(木)午後3時00分~4時40分
場所:横須賀美術館 会議室

1 出席者
 委員会 委員長      小林 照夫    関東学院大学名誉教授
  副委員長        山梨 俊夫    国立国際美術館館長
  委員          金子 雄一    観音崎京急ホテル社長
  委員          菊池 匡文    横須賀商工会議所事務局長
  委員          佐倉美知子    市民委員
  委員          杉戸 美和    横須賀市立野比中学校教諭
  委員          水島 祐子    市民委員

 事務局 館長・教育委員会教育総務部長   原田 惠次
  美術館運営課長             石渡 尚
  美術館運営課主査            佐々木 暢行
  美術館運営課(学芸員)         沓沢 耕介
  美術館運営課(学芸員)         塙 萌衣

2.議事
 ・平成22年度の評価項目等について
 ・今後の進め方について

3.会議録(要約版)

(開会)
[原田部長]:教育総務部長の原田です。今年度の組織改正により、美術館長を兼務することになったのでよろしくお願いしたい。今回は3月11日に中止した会議の振替。平成22年度評価について評価項目を決定したい。22年度は年間観覧者数10万人の目標に対して、10万33人となった。震災後は計画停電や臨時休館を余儀なくされた非常事態であったにもかかわらず目標を達成したことは評価に価する。震災の影響はいまだ大きく、今年度の運営も非常に厳しい。美術館が果す役割について改めて考えさせられる。
評価システムによって美術館の点検、業務の改善を行うことが適正な業務の執行につながると確信。委員には、厳しい目でチェックしていただきたい。今回は、前回のご意見をふまえて、改めて評価項目の見直しなどについて提案したい。

[事務局]:傍聴者2名。任期を半年延長する辞令を交付。前回11月26日の議事録をご確認いただきたい。

[小林委員長]:3月11日、日本の歴史的な大変な日に会議が予定されていて、中止になってしまった。大変なこともあるが、美術館をよりよい、市民に喜ばれるものにするためにご意見を賜りたい。

[事務局]:
(資料確認)
資料1「平成22年度の評価システム(改定案)」
資料2「美術館条例および「美術館活動の基本方針」との関係」
資料3「再構築について(新旧の対応)」
資料4「平成22年度評価システム」
(資料説明)
資料1については、8月の会議で説明したものとあまり変更はなく、平成22年度の評価システムをこうしたかたちで進めてよろしいか確認するための資料。3つの使命の下に8つの目標があり、それぞれに達成目標と実施目標を設ける。
「①広く認知され多くの人に横須賀市を訪れる契機となる」は主に広報に関する目標。
「②市民に親しまれ市民の交流・活動の拠点となる」は主に市民協働に関する目標。
「③調査、研究の成果を活かし、利用者の知的欲求を満たす」は展覧会や教育普及などに関する目標。
「④学校と連携し、子どもたちへの美術館教育を推進する」は、学校連携と子どもたちへの美術館教育をあわせて、若年層への教育普及に関する目標とした。
「⑤所蔵作品を充実させ、適切に管理する」は収集管理に関する目標。
「⑥利用者にとって心地よい空間、サービスを提供する」は、施設・設備のメンテナンス、来館者サービスに関する目標。
「⑦すべての人にとって利用しやすい環境を整える」は、バリアフリーに関する目標。開館以来掲げてきた福祉に関する目標に相当。障害児者を対象とした教育普及事業に関する取り組み、託児サービスなど広い意味のバリアフリーに関する取り組みをまとめて示したもの。
「⑧事業の質を担保しながら、経営的な視点をもって、効率的に運営・管理する」は運営に関する目標。この目標のみ、3つの使命には含まれない。使命を達成するためにはある程度の経費がかかり、それをどう効率的にするかということなので、はみだしている。費用対効果を意識するということを実施目標にする。

資料2は、3つの使命と8つの目標について根拠を示すもの。
横須賀市美術館条例の第一条(設置)には、「美術を通じてさまざまな交流の機会を促進し、市民の美術に対する理解と親しみを深め、もって文化の交流をはかるため、本市に博物館法に基づく美術館を設置する」とあり、ここから使命のうちⅠ「美術を通じた交流を促進する」、Ⅱ「美術に対する理解と親しみを深める」が導かれる。
Ⅰ「美術を通じた交流促進」のうちには、主に市外向けの①と、市内向けの②がある。
Ⅱ「美術に対する理解と親しみを深める」は、社会教育施設としての美術館の本旨。その中に企画展や教育普及事業を通じて、③「利用者の知的欲求を満たす」、④「子どもたちへの美術館教育」がある。また、条例には「博物館法に基づく美術館」と規定されており、現物資料を集めて一般公衆の利用に供することが博物館の一義的な目的であることから、⑤「所蔵作品を充実させ、適切に管理する」が導かれる。
Ⅲ「訪れる全ての人に安らぎの場を提供する」は条例の規定とは直接つながらないが、条文の精神の中に、より多くの人に訴えかけるということがあり、福祉関連事業を充実させる、来館者の方が心地よく過ごすことができる、よい印象を持たれる、というような目標につながると考えられる。
「美術館活動の基本方針」は、開館の前に外部委員を交えた「美術館活動検討委員会」で話し合われた結果できたもの。「開かれた美術館」という基本方針も、これらの目標の根拠となる。

資料3は、平成21年度の評価システム(試行版)と、22年度のものがどのように対応しているか示す資料。3つのミッションの下に10の目標、その下に39の評価項目という煩雑だったシステムを、3つの使命の下に8つの目標、その下にそれぞれ2つずつの目標、あわせて16の評価項目というように簡略化したい。といって、何かを省いたのではなく「対応表」に示したように、重複、近似項目等を整理統合した。
また、評価指標について、今回は8つの目標ごとに達成目標と実施目標を設けた。達成目標は、「目標」の達成を端的に示す数値目標。結果は外的な要因によって左右され、また、客観的に評価される。
これに対して実施目標は、同じ目標を達成するための行動計画。計画通り行動するが、その行動が充分であるか、委員にはかっていただくための目標。
評価基準について、前回いただいた意見をもとに、E評価(方法の再検討を要する)、F評価(判定不能)を設けた。
参考資料として、1次評価書の組見本を添付した。

(「評価項目」の指示内容について)
[山梨委員]:16に減らした「評価項目」というものはどう示されている?
[事務局]:「達成目標」、「実施目標」の枠内に示したものが「評価項目」にあたる。
[山梨委員]:そうすると16より多いことになるのでは?
[事務局]:委員が評点をつける数が16あるということ。「達成目標」「実施目標」の枠内に複数の「評価項目」があるものもある。
[山梨委員]:それは「指標」では?「指標」と「評価項目」との関係は?どちらに従って評価するのかよくわからない。
[事務局]:最終的には、「目標」に対する「評価項目」は「達成目標」と「実施目標」になると考えている。下位項目(指標)が二つ以上ある場合には、それらを総合して評価を出していただきたい。
[山梨委員]:ということは、「達成目標」の方は指標にしたがう。「実施目標」は各評価委員が総合的に考えてSからFまでをつける。そこを明記しないとよくわからない。

(活動内容を具体的に)
[山梨委員]:美術館の活動の根幹は展覧会、ということが目標、指標にはっきり出てこないのは不安。
使命のⅡ「美術に対する理解と親しみを深める」目標の③「調査、研究の成果をいかし、利用者の知的欲求を満たす」というのはいかにも抽象的。達成目標、実施目標で初めて、展覧会云々と出てくる。もう少し、展覧会は美術館の根幹をなすものとして大事だ、とわかる目標の出し方ができないか。
指標が一般化して、割と漠然とした言い方になっている。具体例を出したほうがイメージしやすい。参考資料の部分は公表されないだろうから、公表される部分で具体的にわかったほうがよい。
[事務局]:参考資料(の欄)には具体的に書き込んでいくことにしたい。展覧会ごとに目指すものを具体的な指標として掲げることも可能。もちろん年度ごとにシステムの一覧表自体のマイナーチェンジは必要。
[山梨委員]:市民の方たちが、美術館のことをよく知らなくても、何をやろうとしているのかわかるような具体性を持たせる必要がある。
[事務局]:方法を検討します。
[小林委員長]:かなりたいへんかもしれない。
[事務局]:このシステムは美術館が目配りをしていることの一覧表に過ぎず、配点は考慮されていない。それをやっていくとまた違うかたちになってしまう。ご了解いただきたい。
[小林委員長]:一般に公開されても意味がよくわからないと、努力が無駄になってしまう。委員が気づいたことは遠慮なくぶつけていただきたい。よりわかりやすく、より市民の関心が高まるようなものにしたい。

(コメント欄について)
[佐倉委員]:評価のほかにコメントを加えられるのか?
[事務局]:前回と同じようにコメントを入れたかたちにする。評点だけでは示せない部分を文章で書いていただけると理解もしやすい。

(評価の継続性について)
[菊池委員]:平成21年度の評価報告書(試行版)のなかに、「次年度以降の課題」を掲げたのは、年度ごとにぶつ切りの評価でなく、当年度の評価をする過程で露見した課題を、次の年で解決するため。今回、評価の枠組みを変えると、21年度の評価との関連性をどう明確にするのか。
もうひとつ、「見本」を見る限り、結果に対する裏づけをしているような印象を受ける。今年度の新規の取り組み、改善した取り組みを明確に、具体的に示して、その結果こうなったんだというストーリーに引き込んでいくものでないと評価しにくい。当事者の意欲が伝わってこないと、せっかくの評価が次につながっていかない。
[小林委員長]:確かにこのままでは断続的になってしまう。継続的にみていって、新しい疑問点がみつかれば、よりよい美術館像につながっていく可能性があるし、変化の過程が見えやすいのではないか。
[事務局]:「次年度の課題」は抜けていたのでぜひ補いたい。取り組みの内容については、「実施目標」のなかの「一次評価の理由」が相当する。21年度評価(試行版)と対応しているかどうか気をつけながら、報告書を作成したい。
[菊池委員]:「次年度の課題」にあまり囚われる必要はない。マニフェストではないので。絶対ではない。いろいろな社会現象に応じて状況が変わってくるので、軌道修正はあっていい。あまり金科玉条のようにとらえる必要はない。とは思うが、結果出てきたものだから、大事にはしたほうがいい。
[事務局]:同意。
[山梨委員]:菊池委員の意見に大賛成。以前にも言ったが、ここの職員は割合控えめ。ずうずうしくなる必要はないが、やっていることをもっと積極的に打ち出したほうがよい。

[佐倉委員]:評価のしかたが毎年変わってしまうと、比較しにくい。ある程度固定したほうがよい。
[小林委員長]:今回のを基準にしていくために、少し慎重に検討しているのでは?
[石渡課長]:一昨年度の評価は試行であり、かたちはだんだん安定していくと思われる。継続の大切さは認識している。
[杉戸委員]:成果と課題がはっきりわかるかたちを求めたい。表が複雑ではかえって判りにくくなることがある。

(特殊要因の取り扱いについて)
[菊池委員]:1年の中で考慮すべき特殊要因があるはず。大震災もそうだし、前年度の場合はインフルエンザ。時間がたつとそういうことは忘れてしまうので、何月にこういうことがあったということをどこかに客観情報として載せておくべき。
[山梨委員]:「一次評価の理由」あたりか。たとえば3月11日の大震災のあと計画停電があって、それにもかかわらず10万人達成した、とか。
[菊池委員]:結果がプラスのときはそれでよいが。マイナスのときはいいわけになってしまうので、客観情報のほうがよいのでは。
[事務局]:特殊要因、客観情報というのは、編綴のしかたとして、(評価書の)冒頭に表として入れたほうがよい?
[菊池委員]:時系列で事業を羅列し、いわゆる特殊要因を並列すれば対照しやすい。
[小林委員長]: 3月11日に集まった折には、「あと2000人」と言っていたが、その後世の中が変わって、10万人超すのはやはり苦しかったと思う。もしそれを書かないで、達成していなかったら、BならBの評価にせざるを得なくなる。そういう要因は明確にしておいたほうがよい。
[佐倉委員]:すばらしい意見。
[事務局]:このたびのことは本当に未曾有の災害だったので、たしかに大きなファクターといえるが。教育普及事業など、実施日が1日、2日の事業では、もともとかなり天候に左右されている。その日たまたま雨だとか、そういうことでずいぶん人の集まり具合などは変わってしまう。それは、個々の事業を振り返るときには必ず要因として記録している。
[山梨委員]:いや、一年の総括のようなことはやはり評価書の最初に書いておいたほうがよい。細かいことは「一次評価の理由」のところに書けばよい。
[事務局]:細かいことは「参考資料」に記録していくことになるが。
[山梨委員]:「参考資料」だと一般の人は見ないから、評価書のなかで一年の総括と、一次評価を出すうえでの事情とを記述すると。
[事務局]:22年度の評価書を作る際には、ご指摘のとおりにしたい。

(目標⑤の達成目標について)
[山梨委員]:「⑤所蔵作品を充実させ、適切に管理する」の「達成目標」が「美術品選定評価委員会を1回開催する」となっているが、これは目標とは直接結びつかない。だからといって、「年間何点集める」というのも違うから、試行錯誤の結果こうなったのだろうとは思うが。もう少しなにか書き方はないか。
[金子委員]:私も違和感があった。他のところのようなアンケートによる満足度のようなものはないか。
[山梨委員]:選定評価委員会の委員たちがどう思っているか、でよいのでは。
[金子委員]:たしかに、専門家の意見のほうがよい。
[山梨委員]:書き方は難しいと思うが。
[金子委員]:「開催する」というだけでは物足りない。
[山梨委員]:今展示している「木下コレクション」など、面白いものが大量に寄贈されている。
[石渡課長]:そういうことが見えるようなかたちを考える。
[小林委員長]:選定評価委員会とは?
[事務局]:購入予算がないので、美術作品を新たに収蔵するには寄贈あるいは寄託になる。受け入れの可否については、選定評価委員会で専門家の外部委員に見ていただいている。審議内容は公開していない。
[山梨委員]:目標ごとに「達成目標」と「実施目標」を設けることにしているが、内容によっては無理にふたつ作らなくてもよいのでは?
[小林委員長]:これだと、委員会を開くこと自体がそうとう努力を要するような誤解を招く。やはり書き方を変えたほうがよいのでは?
[事務局]:達成目標を無理やり作る必要はないということでよろしければ、より状況がわかるようにしたうえで、実施目標だけで評価をするようなかたちを考えたい。
[原田部長]:良い作品が入ってきているのかどうか、というところで考えたい。結果としては数値でないかもしれない。検討させていただきたい。

(教職員への研修について要望)
[杉戸委員]:「美術に対する理解と親しみを深める」というなかで、ぜひ学校との連携を進めていただきたい。美術館では力を入れているが、教職員の研修がまだ足りないと感じる。
小学校では美術専門の先生はとても少なく、中学でも各校1名しかいない状況で、美術館とのパイプ役になろうとしてもすごく細い。例えば教職員向けの研修、講座のようなものがあるとありがたい。そうすれば、教職員ももっと積極的に美術館に協力を仰ぐようになるし、絵の見方、作品との接し方についても、きっと美術館の視点からいろいろご存知だと思う。そういうことを聞きたい。中学生以下の来館者という数字の背景にある教職員への働きかけがもっと強くあってもよい。
[石渡課長]:講演会やワークショップ、日頃の情報提供と両方でということ?
[杉戸委員]:本当は、美術館での授業に協力してほしい、と学校からもちかけるべきだけれども、なかなかそうならない。そういう温度差もある。例えば美術館から、鑑賞のための講座を行うと声をかけてもらえれば。また例えば、アーティストと出会う会に大人は参加できないのか。
生徒数に応じて美術の先生の数もかなり減らされていて、特に小学校の先生はかなり困っていると思う。小学校6年生のすべての児童が美術館に来ているという中で、教師に対しても絵の見方を示してほしい。
[原田部長]:教職員の研修は、教育委員会の中で行っている。確かに小学校の先生は、美術を専攻している方が少ないのは理解している。美術に対する教職員の研修という切り口で、教育指導課とか教育研究所でどう考えるか。また美術館としても、どういうものを提供できるか。
情報提供だけだと、プログラムとしての研修には入って来にくい。どの程度保証できるか教育委員会の内部で検討したうえで、研修の機会が増えるようにしたい。
[山梨委員]:先生のための美術講座というのは、どこの美術館でもやっている。神奈川県立近代美術館では、学校との連携をするためには、まず先生を相手にしなくちゃダメだ、と考えて、県の教育委員会と話して美術館活用推進委員会、将来的に美術館をどう活用するか、という委員会を作った。県域は広いから、最初から全域は無理なので、鎌倉市と逗子市と葉山町の教育委員会、県の教育委員会、とくに高校教育課だとか、中学、小学校を指導する子ども教育課だとか、各教育委員会から、また教育研究所からひとりずつ来てもらって、美術館の職員といっしょに、美術館をどう使っていくか、という話し合いを3年間した。そして、委員会が立ち上げたワークショップをやって、そこには子どもも大人も先生たちも参加する。
参加した先生は、非常に関心を持って、教育現場に帰ると、それを自分の教育活動の中に組み込んでいる。しかし参加しないとなかなか組み込めない。そういう人を少しずつ増やしていくしかないので、定着にはものすごく時間がかかる。
でも、横須賀市と横須賀市の美術館というのは地域的に一致しているから、きめ細かにできるのではないか。別に活用推進委員会でなくても、館長が教育総務部長を兼ねているから、一体となって進めやすいだろう。

(「美術館活動の基本方針」について)
[小林委員長]:「美術館活動の基本方針」という5つの方針があって、それは良いが、並んでいるだけでは何の意味もない。その中で具体的にどこにウエイトが置かれているのか?
[石渡課長]:これは開館時から活動の5本柱として挙げたもの。こういう精神が評価項目に活かされている。
[事務局]:ひとつには、必要な目配りをして、バランスをとっているということを示している。また、美術館に対する一般的な考えよりも、例えば福祉の分野が柱に含まれていることで、より強調されているということになるのではないか。その他のことは当然といわれれば当然かもしれない。
[小林委員長]:ひとつひとつは非常によくわかる。しかし重点がどこにあるのか明確にすれば、それによっては評価の回答や、評価項目の設定のしかたも違ってくるのではないか。

[小林委員長]:その他特になければ、出た意見については網羅し、全体的にもう一度見直していただきたい。基本線はそのままで、評価に入ることにしたい。

(今後のスケジュールについて)
[事務局]:それでは議題の2として22年度の評価確定までのスケジュール
(資料説明)
「評価システム改定案」については、課題はあるものの認めていただいた。
事務局で1次評価書を作成、5月~6月上旬に送る。
2次評価を返送していただく。
回答をまとめて、会議資料として事前にお送りする。
第2回会議(7月に開催)で評価を確定。時間がかからないように準備をしたい。
資料の体裁は前回とあまり変わらない。
完成したものは公表する。
任期を9月末まで延長。

(日程について)
[事務局]:次回7月の日程を決めてしまいたい。
[小林委員長]:今決めなくてもよいのでは。7月にはあるということで。あとは具体的に調整していただきたい。
[事務局]:では改めてご都合を伺う。

(指定管理者制度導入の状況)
[事務局]:指定管理者制度の導入に関しては状況を逐一報告する約束なので、現状を報告。
昨年度に引き続き他都市美術館の事例調査、制度を導入した場合の試算を行っている。
また今年度から、教育委員会内にとどまらず、市長部局の関係課長を交えた「美術館運営方法検討委員会」を発足させ、教育施設としての役割に加えて、集客施設としての美術館の運営についての検討をはじめた。
[小林委員長]:これについてなにか?
[山梨委員]:いま美術館に指定管理者制度を導入しようというのは、今までの美術館への指定管理者導入が一段落して、反省に立っているときに、動きとしては逆行している。
[小林委員長]:実際に都市美術館の場合で指定管理者制度を導入している事例はかなりある?
[山梨委員]:公募はほとんどない。
[石渡課長]:概ね自治体が90%以上、自治体が出資している財団法人による指定管理という事例はあるが、民間企業はない…ないというか、一部指定管理はあるが、美術館全体が民間事業者による指定管理になっている事例はない。
[山梨委員]:学芸業務まで指定管理でやるところはない。
[小林委員長]:行政も財源が減っていてたいへんだが、夢のない話が多すぎる。地方自治体だからこそできていたことが無くなっていく。横須賀全体の問題にもつながっている。横須賀は地味でなんにも無いから、横浜へ住んでいた方がいいとか。横須賀の街もますます小さくなってしまう。もう少し積極的に。財政もたいへんだろうけれども、市民が夢を持てるような行政の役割も大事ではないか。特殊老人ホームを作ることも、いまは足りないから大事だが、いっぽう子どもたちに夢を持たせるとか、心のいやしの問題を考えていただきたい。

[水島委員]:横須賀美術館は観光資源のひとつ。観光資源を市が育てていくという姿勢を示してほしい。
[原田部長]:経済部や政策推進部などの課長級を集めて、美術館にもっと人にきてもらう、いわゆる有効利用しようという話をしている。地域経済の活性化にもつなげていきたい。収入が増えれば、一般財源の持ち出しも少なくなる。より良くするアイデアを出していこうという会議。華々しく、劇的に変わるかどうかはこの段階ではわからないが、教育委員会内部だけで考えているのではなくて、いろんなアイデアをもらっていこうというもの。
[山梨委員]:観光資源という側面を美術館が持っているのは確かだが、実質的に収益が上がったというケースはひとつもない。あくまでも活性化の方法としてはいいけれども、財政的なプラスを期待するということはもう、美術館活動を捨てるということ。
[原田部長]:まあ一般財源の持ち出しはさておいて、市外からお客様がこられると、このだいたいひとりあたり5300円からのお金を落としていかれると。経済的にそういう評価のしかたがある。では交流人口がどれだけ来るか。
[山梨委員]:そういう付帯的な経済効果は期待しうる。
[原田部長]:波及効果がそれだけある。

[山梨委員]:むしろ指定管理者にすると、いま話していたような市との直接的な連携がやりにくくなる。むしろ市と市の教育委員会とが連携して、地域住民との連帯をはかっていくなら、いまの直営のかたちで、もっと積極的にやるほうがいいんだ、と美術館としては訴えたほうがよいのでは?

[菊池委員]:他都市比較や試算の継続とか、検討委員会がスタートしたということですが、その検討結果をいつまでに出す、というリミットはある?
[原田部長]:公開ではなく私的な会議で、より良くしていこうというもの。
[菊池委員]:すでにあるものを良くしていく、という前向きな議論であれば良いが。これをこういう方向に持っていくために検討しろよ、という会なら、落としどころが決まってしまう。
[原田部長]:こういう方向にという前提はない。
[菊池委員]:他都市比較と試算を続けて、経営面での比較をしていくなら、どこかで結論をつけなくてはならないはず。課題が指定管理者制度なら、取り下げるのか、採用するのかどこかで決めなくてはいけない。その時点になるまでは動かない?
[原田部長]:指定管理者制度の導入ということになれば、直前ではだめで、かなり前に条例改正を議会に提案しなければならない。条例を改正したあとにセレクションをするので、日程的に長い期間が必要。今日決めたから明日から移管するということにはならない。
[菊池委員]:だから、いつ「決める」のか。ずっと比較を続けているわけにはいかない。結論を得るために比較しているのだから。ずっと続けなければいけないのか?
いまは途中経過ということでご報告をいただいたが、いま部長が言われた内部の検討委員会というのは、プラスの意味?美術館がある以上、これを活かしていっしょにやっていく、活用委員会という意味なのか。
[原田部長]:あるところに至る前に、より良い運営方法で、指定管理でない方法もないか?という自発的な研究機関。指定管理というのはひとつのきっかけ。話し合いが進んでいくと、そこへ行くのかどうかは、年内なのか、決めなくてはいけない。
ただこれは本当にはじまったばかり。第1回は思いのたけを話し合っただけ。現実にやるとすればどうやるかとか。その辺の検討をまた私的にやっていかなくてはならないので。

[水島委員]:素朴な疑問だが、指定管理者になると何か市民に対してメリットがあるのか?
[山梨委員]:要するに運営経費を絞り込むことによって、その余剰的な経済的効果が市民に還元されるということ。しかも、建前上は美術館の活動の質は落とさないという条件でそれをやる。しかし実際にはみんなものすごく苦しくなる。
[水島委員]:デメリットは?
[小林委員長]:学芸員の人たちがいないと美術館がなりたたない。同じハコモノハコモノといわれているけど、横須賀の芸術劇場とは意味がぜんぜん違う。劇場なら建物をうまく運営すればどうにかなるが、美術館は中身が問題。
一般の市民を集めるのが難しいなら、横須賀市の小学生や中学生の美術の情操教育に力を入れる。横須賀全体にとって、美術館が活用されればよい。ランニングコストの面だけで考えてはいけない。
[原田部長]:市民の財産なので、有効に活用できるようにする。

[佐倉委員]:市役所の中にそういう会ができたのはとてもよい。何年か前に社会福祉審議会で、介護保険を使わない高齢者には特典として、例えば美術館の割引券を配ったらよいのでは、と提案したことがある。元気な高齢者なら行こうかな、と思うのでは。あるいは、エコポイントのような市民ポイントを貯められる制度を作るようだが、それを美術館で活用できるようにするとか。多くの部課で美術館のことを考えれば、集客に結びつくアイデアも生まれるのではないか。

[小林委員長]:美術館の特性を認識することによって、地域に美術館があることの意味も大きくなる。横須賀でいい美術館が存続するように応援したい。
(閉会)

 

4.会議資料(PDFファイル)
資料1 平成22年度の評価システム(改定案)
資料2 美術館条例および「美術館活動の基本方針」との関係
資料3 再構築について(新旧の対応)
    (目標の性格)(評価基準)
資料4 平成22年度評価確定までのスケジュール(案)